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よくある質問

II.映像・音声の利用について

Q14.歌舞伎の舞台公演を劇場中継するテレビ放送番組をビデオに録音録画して、これを、学校の授業で使いたいのですが、許諾をとる必要がありますか?
A.著作権法が定める要件に合致する場合に限り、許諾手続の必要がありません。

放送事業者は、自己のテレビ放送番組について録音権・録画権を有しています(98条)。また、その舞台に出演している歌舞伎俳優は、実演家として、その実演についての録音権・録画権を有しています(91条)。したがって、歌舞伎の劇場中継番組をビデオに録画する場合には、原則として放送事業者及び実演家から、許諾を得る必要があります。
ただし、著作権法は、一定の場合に放送事業者や実演家の録音権・録画権の行使を制限し、許諾を得ないでも録音・録画することを認めています(102条1項)。その一つの例として、「学校その他の教育機関における複製」(102条1項による35条の準用)があります。 この条文の適用を受ける録音・録画であると認められるためには、次のような要件を満たさなければなりません。

  1. 1) 学校その他の教育機関であり、かつ営利を目的として設置されたものではないこと
    学校教育法に定められた幼稚園、小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校、専修学校、各種学校のほか、公民館や青年の家などの社会教育施設、職業訓練施設など継続的に教育事業を行っている施設が含まれます。営利目的の施設は除かれますから、企業内の職員研修施設や、私塾、カルチャーセンターなどには、本条の適用がありません。
  2. 2) 授業の過程における使用に供することを目的とすること
    学校等の施設における使用のうちでも、授業に使用することを目的とする録音録画に限られます。
  3. 3) 授業担任による録音録画であること
    本条の適用を受ける録音録画は、授業を担任する者が行う場合に限られます。
  4. 4) 必要と認められる限度内であること
    教育目的から権利者の権利制限をするのですから、録音録画が許されるのは、授業に必要な範囲内に限ります。
  5. 5) 著作物等の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし、著作権者又は著作隣接権者の利益を不当に害するものでないこと
    市場における販売等と競合して権利者に経済的な打撃を与えるような場合にまで権利制限を認めることは法の趣旨に反するため、この要件が本条ただし書きに明記されました。
    たとえば、上記 1) 2) 3)の要件を満たす方法で歌舞伎の放送番組を録音録画する場合であっても、全校生徒の人数分のビデオを作成することや、継続的に番組をビデオ化してバックナンバーを揃えることなどは、4)の必要な限度を超えるものであり、放送事業者や実演家が市販ビデオ化することにより得られるはずの経済的利益を脅かすものとして、5)の利益を不当に害する場合に該当します。

以上の要件を満たさない場合には、学校等において、授業で使用するためであっても、録音権・録画権に関する許諾を得てください。

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