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波乃久里子さんが紫綬褒章を受章

(2011年06月27日)

平成二十三年春の褒章で紫綬褒章を受章した波乃久里子さんが、その喜びを語りました。

波乃久里子
大好きな演劇、新派を続けさせていただくだけでも幸せですのに、こんなに素晴らしい章をいただき本当に嬉しくて幸せです。私は初代水谷八重子先生にお会いして、その美しさに憧れて新派に入りました。そうして50年、1000以上のお役をつとめ、舞台にたち続けて、今では休むのが怖いくらいです(笑)。これからも古典・新作を問わず、いろんな作品にチャレンジしていきたいと思っています。

今まで一度だけ女優を辞めたいと思ったことがありました。八重子先生が亡くなって、希望もなくなってしまって・・・ちょうどその時、杉村春子先生から『女の一生』の布引けいのセリフ「誰が選んでくれたのでもない。自分で選んで歩き出した道ですもの・・・」と書かれた色紙をいただきました。その時ふと『女の一生』をやるまでは辞められない…そんな思いが心に湧いてきました。そしてその日の舞台では今までに無かったようなお客様からの大きな拍手を体験して…きっと天国の父(十七代目中村勘三郎)がつかわしてくれた拍手なのかもしれません。本当にいまでも不思議に思います。

お芝居をご覧頂いたお客様に、元気になっていただけるような“温度”を差し上げたいと思っています。そうして皆を若くして差し上げて、皆様が明日、明後日生きる希望を持って下さったらこんなに嬉しいことはありません。これからも新派の劇団員全員で、皆様に愛される新派を残してきたいと思っています。

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